京都大学ELPオンライン
先の見えない時代に、どのような問いを立て、行動すべきなのか
京都大学エグゼクティブ・リーダーシッププログラム(ELP)は、
オンライン講座「京都大学ELPオンライン」を開講します。
オンラインをベースにした新しいスタイルと価値の経験
Professors
講師陣
「先の見えない時代に、どのような問いを立て、行動すべきなのか」のテーマを中心に、ELP講師陣の中から、今学ぶべき11名の講師を選びました。
Group Work
グループワーク
講義後、少人数にわかれてグループワークを行います。異なる立場からの意見や疑問を共有することで、新たな視点を獲得できます。
Discussion
ディスカッション
各グループからの質問を基に、全体で議論をします。講師に直接問いを投げかけることで、さらに深い学びに繋がります。実際のELPでも重んじている対話を重視したプログラムです。
コロナ後の世界とは
私たちは現在、新型コロナ・ウィルス感染(COVID-19)という脅威に直面し、社会、経済に深刻な影響を受けています。この問題はいつ収束するのか、コロナ後の世界がどうなるのか、誰も明確な回答を見つけられていません。一方で、このような問題はコロナに限らず、我々の周りに数多く存在しています。人口減少、自然災害、人工知能など、私たちは今だからこそこれらの問題を直視し、その本質を知り考えるべきではないでしょうか。
Program
2020.6.20 sat.~7.18 sat.
『グローバルな脅威としての感染症』
新型コロナウイルス感染と過去のパンデミックから学ぶもの
〈ELPオンライン開講記念特別講義(無料)〉
ご好評につき、無料体験講座は満席となりました。みなさまどうもありがとうございました。
本講座は、6月20日(土)から始まります。
5/23(土)10:00〜12:40
光山正雄(京都大学名誉教授)
講義概要
年明け早々、中国・武漢に発した新型コロナウイウルス感染症(COVID-19)は瞬く間に湖北省を席巻し、中国全土から徐々に南極大陸を除く世界の5大陸に拡大しました。横浜に接岸し閉鎖検疫を受けたクルーズ船内で見られた集団感染の勃発と水際作戦の失敗による国内各地への感染の伝播は、医療先進国であるはずの我が国の新興感染症に対する脆弱性を図らずも露呈した形になってしまいました。20年ほど前までは単なる風邪(普通感冒)の原因ウイルスの一つにすぎなかったコロナウイルスが、2003年にSARSを、そして2012年にはMERSを引き起こすようになったのは何故か、今回のCOVID-19と関連付けて考えることが必要です。今回推奨されたマスク着用の徹底は、百年も前に全世界で数千万人の死者を出したスペイン風邪で取られた感染予防策と何ら変わりがありません。検疫、封じ込め、などの、期待を持って語られた対応が何故効を奏し得なかったのか、考える必要があるでしょう。加えて、特効薬もワクチンもない中世の時代、人類はどのようにして伝染病の脅威に立ち向かったのか、歴史的な事実も加味してお話しをし、現代社会の抱える脆弱性について皆さんとともに考察したいと思います。
講師紹介
1973年九州大学医学部卒業、医師免許取得。3年間の内科臨床経験の後、九州大学医学部細菌学教室にて病原細菌学の研究を開始し、1978年同教室助手、医学博士号取得。1980年同講師。1981年から1983年まで米国政府給付国際奨励研究員(Fogarty fellow)としてハーバード大学医学部に留学し感染免疫学の研究に従事。1983年帰国後九州大学医学部細菌学助教授。1987年新潟大学医学部細菌学講座教授。1998年京都大学大学院医学研究科感染・免疫学講座微生物感染症学分野教授。2008年~2010年京都大学医学研究科長・医学部長。2013年3月定年退職。2013年4月より総合生存学館特定教授。2014年3月総合生存学館副学館長。現在は、京都大学名誉教授。2015年4月より、京都大学白眉センター・センター長および京都大学次世代研究創成ユニット・ユニット長を兼任。細胞内寄生性細菌の病原因子の分子微生物学、感染防御免疫学を専門研究領域とし、思修館ではグローバル感染症学・生体防御学を担当。日本細菌学会、日本免疫学会、日本生体防御学会各役員、日本感染症学会、日本結核病学会会員。米国微生物学会、欧州微生物学連盟正会員。1999年小島三郎記念文化賞受賞。2009年浅川賞(日本細菌学会最高学術賞)受賞。『学ぶとはどういうことか』
学問の意味と意義
6/20(土)10:30〜12:30
宮野公樹(京都大学学際融合教育研究推進センター准教授)
講義概要
多分野の受講が直ちに教養獲得とはならない。様々な個別知が分散的に存在する知識空間の間(ま)にこそ知性は存在し、それは個別知の統合、融合を求めてこそ身体化されうる。結局のところ、教養とは知性を求める構えに他ならない。そもそも参照軸としての自己がなければ、個別知との距離感も測れず、ただただ「おもしろいか、おもしろくないか」、「役に立ったか、役に立たなかったか」といった表層的感覚でしか承認されず、これではテレビ番組のザッピングとかわらない。
本講義では、本プログラムを受講するにあたって、当京都大学ELPの思想を踏まえての“あるべき構え”について理解することを目的とし、様々な講義や体験の価値を最大化させるための思想的基盤を強化する。講師紹介
1996年立命館大学理工学部機械工学科卒業後、2001年同大学大学院博士後期課程を修了。大学院在籍中の2000年カナダMcMaster大学にて訪問研究生として滞在。後、立命館大学理工学部研究員、九州大学応用力学研究所助手、2005年京都大学ナノメディシン融合教育ユニット特任講師、2010年京都大学産官学連携本部特定研究員、2011年より現職。その間、2011年4月~2014年9月まで総長学事補佐、加えて、2011年10月~2014年9月まで文部科学省研究振興局基礎基盤研究課参事官付(ナノテクノロジー・材料担当)学術調査官を兼任。博士(工学)。受賞歴:1997年南部陽一郎研究奨励賞、2000年カナダ金属物理学会ベストポスター賞、2001年日本金属学会論文賞、2008年日本金属学会若手論文賞、他多数。専門分野:大学にまつわる政策を軸とした学問論、大学論。異分野融合の理論と実践。(かつての専門:金属組織学、ナノテクノロジー、医工学)趣味:カメラ『地球惑星水質源評価』
本当にハビタブルな惑星を求めて
6/20(土)13:30〜16:10 山敷庸亮(京都大学大学院総合生存学館教授)
講義概要
2020.5.20までに発見された太陽系外惑星は4313個、そのうち液体の水が存在する可能性がある惑星は49個である。さて、これらの惑星に海はあるのか?また、これらの惑星は果たして生命が存在しうる条件なのか?この49個のハビタブル惑星の判定に用いた古典的ハビタブル条件と、恒星フレアによる放射線環境も考慮した新しい宇宙における居住可能な惑星環境の判定基準を軸に、それらの知見を集約した太陽系外惑星データベースExoKyoto を用いて、これらの疑問に挑む。また、これらの疑問の解明が太陽系における惑星の生命誕生の謎に迫ると考え、現在行われている国際共同研究や、月・火星の将来の宇宙進出についても紹介する。
講師紹介 山敷庸亮(京都大学大学院総合生存学館 教授)
1990年京都大学工学部交通土木工学科卒業。サンパウロ大学工科大学院(EPUSP)修士課程修了(1994年)。京都大学博士(工学)(1999年)。財団法人国際湖沼環境委員会研究員、国連環境計画(UNEP)協力企画官、京都大学工学研究科助手、日本大学理工学部講師・准教授、東京大学理学部講師、海洋研究開発機構招聘主任研究員、京都大学防災研究所准教授、同大学院総合生存学館准教授などを経て現職。国連地球環境監視システム淡水部門(GEMS/Water)のアドバイザー。JICA-JSPS 専門家派遣にてブラジル国立宇宙研究所気象気候予測研究センター(INPE-CPTEC)に派遣、サンパウロ大学サンカルロス校客員教授となる(2010年)。地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)を通じてクロアチア国の土砂災害防災計画に関わる。水環境学会技術賞(2001年)、水文・水資源学会論文賞(2014年)などを受賞。2015年から2017年まで国連教育文化機関国際水文プログラム国際水質イニシャチィブ(UNESCO-IHPIIWQ)専門家会議議長、2015年京都でのUNESCO 水質専門家会議を主催する。2015年より系外惑星データベース ExoKyoto を開発(http://www.exoplanetkyoto.org)する。2019 年、土井宇宙飛行士、寺田准教授らとともに、アリゾナ大学人工隔離生態系Biosphere2 を用いたスペースキャンプ(SCB2)を企画、実践する。『コミュニケーションの進化と未来社会』
人類の進化を類人猿と比較してその特徴を論じ、未来社会を展望する
6/24(水)10:00〜12:40 山極壽一(京都大学総長)
講義概要
現代は不確実性の高い時代と言われ、これからは知識集約型社会のなかで期待値ビジネスが活躍すると考えられている。しかし、それがどんな人間観に基づく社会であるかはまだよくわかっていない。そこで、人類の歴史を有史以前に遡り、生物としての進化史を類人猿と比べ、人類がどのような心身の変化を経験して現代に至ったかを概観する。
その上で、新型コロナウイルスの災禍に見舞われた現在、どのような社会を構築すべきかを考えてみる。今後、新たな感染症の到来を見据えて情報通信機器をどう利用し、超スマート社会を迎えていけばいいか。コミュニケーションと人間関係を適切に保つうえでどんな配慮が必要か。新たな人間のつながり方を考えてみることにする。講師紹介
第26代京都大学総長(2014 年~)。1952 年東京生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士後期課程退学。理学博士。カリソケ研究センター客員研究員、( 財)日本モンキーセンター・リサーチフェロー、京都大学霊長類研究所助手、京都大学大学院理学研究科教授などを経て2014 年10月総長就任。日本霊長類学会会長、国際霊長類学会会長を歴任。日本学術会議会長、内閣府総合科学技術・イノベーション会議議員、環境省中央環境審議会委員。1978 年よりアフリカ各地でゴリラの野外研究に従事。現在はゴリラとチンパンジーが熱帯林の同じ場所でどのように共存しているか、他の生物といかに共進化してきたかを研究している。類人猿の行動や生態をもとに初期人類の生活を復元し、人類に特有な社会特徴の由来を探っている。また、コンゴ民主共和国ではゴリラと人との共生を目指したNGO ポレポレ基金を推進している。
『問いのデザイン』
「先の見えない時代」に問いはたてられるのか
6/27(土)10:00〜12:40
塩瀬隆之(京都大学総合博物館准教授)
講義概要
「もっと予見して対処すべきだったのではないか」「アフターコロナで変化する社会にどう対応すべきか」など、わたしたちは焦燥感からか何か問題の解決を急いでしまう。しかしそもそも「パンデミックは予見できたのか」、あるいは「右往左往しているわたしたちがその後の問いをたててよいものか」など、別の問いがわたしたちを呼び止める。
「問い」がそもそもどのように生まれ、どのように深く考えるきっかけをつかむのか、本講義では、問いのデザイン手法について概説する。そして、次世代リーダーとして組織の中で個の多様性を活かし、一人一人の個人的な動機と経験を揺動する核心を突いた問いかけの習得を目指す。講師紹介
京都大学工学部精密工学科卒業、同大学院工学研究科修了。機械学習による熟練技能継承支援システムの研究で工学博士。ATR 知能ロボティクス研究所、慶応義塾大学SFC 研究所客員研究員など併任。京都大学大学院情報学研究科助教、京都大学総合博物館准教授を経て2012年6月退職。同7月より経済産業省産業技術政策課 課長補佐( 技術戦略)。2014 年7月京都大学総合博物館准教授に復職。NHK E テレ「カガクノミカタ」番組制作委員。日本科学未来館“ おや? ” っこひろば総合監修者。平成29 年 文部科学省 中央教育審議会委員( 数理探究)、平成30 年より現在 経済産業省 産業構造審議会イノベーション小委員会委員、特許庁知財創造教育調査委員、文化庁伝統工芸用具・原材料調査委員、日本医療研究開発機構プログラムオフィサーなど。平成29 年度文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)ほか受賞多数。
『日本の地下で何が起きているのか』
地球科学で地震噴火の活動期を賢く生き抜く
7/1(水)10:00〜12:40
鎌田浩毅(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
講義概要 近ごろ頻発する地震と噴火は、2011 年の東日本大震災が引き金となって地盤が不安定になったからだ。日本列島は1000 年ぶりの「大地変動の時代」に突入し、内陸の直下型地震と火山噴火が数10年ほど続き、西暦2030年代には南海トラフ巨大地震、すなわち「西日本大震災」が迫る。富士山を初めとして20座の活火山が活動期に入ったことも喫緊の課題だ。
講義では最先端の研究成果に基づく地下の状況を、市民の目線で分かりやすく解説する。どうやって命を守るのか、いま何を準備すべきか、どのような社会を構築すべきか。私は京大に着任して今年で23年になるが、地球科学の基礎研究者から「科学の伝道師」にシフトした目的と経緯と方法論も熱く語りたい。講師紹介
1955 年生まれ。筑波大学付属駒場高校卒業。東京大学理学部地学科卒業。通産省( 現・経済産業省)主任研究官・米国内務省カスケード火山観測所上級研究員を経て、1997年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士( 東京大学)。専門は地球科学・火山学・科学コミュニケーション。内閣府災害教訓継承分科会委員、気象庁活火山改訂委員、日本火山学会理事、日本火山学会誌「火山」編集長、日本地質学会火山部会長などを歴任。日本地質学会論文賞受賞(1996 年)、日本地質学会優秀講演賞受賞(2004 年)。テレビ・雑誌・新聞・著書で科学を明快に解説する「科学の伝道師」。京大の講義は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。「世界一受けたい授業」「情熱大陸」「ようこそ先輩 課外授業」「グレートネイチャー」などに出演。
『見えない先を見る-情報智慧の視点から』
生命の本質と変化を考察してみる
7/4(土)10:00〜12:40
趙亮(京都大学大学院総合生存学館准教授)
講義概要
本講義は、まず生命の定義について、生物学、哲学、物理学、脳科学、そして情報学的立場から考察する。そして、生命の本質に対する情報的考察を踏まえ、学習とはなにか、賢いこととはなにか、最新の脳科学やAIの研究に触れながら智慧の本質を考える。
最後に、情報智慧論を用いて歴史や社会、人類の発展を分析する。受講生には、本講義で得られた考察方法を取り入れ、AIを含む未来のことを大胆に予想してもらう。講師紹介
1995年中国清華大学応用数学系卒業、計算機科学技術系とのダブル学士学位。同年来日し、龍谷大学日本語別科と京都大学大学院工学研究科研究生を経て、1999年京都大学大学院工学研究科数理工学専攻修士、2002年同大情報学研究科数理工学専攻博士課程修了、博士(情報学)。2002年から2006年まで宇都宮大学工学部情報工学科助教、2006年から2014年まで京都大学情報学研究科講師、2014年4月より現職。2013年3月から2014年2月までドイツ・カールスルーエ工科大学(KIT)訪問。専門は情報学、特に最適化やアルゴリズム、ネットワーク分析、人工知能など。近年、生命や智慧、未来社会を思考している。アカデミック研究のほか、リーダー育成(思修館プログラム、アジア未来リーダー育成プログラムAFLSP、ELP)、フリーソフトウェア普及や教育活動、作成に参加。『日本文明の作法』
日本文明から東アジア、特に日韓関係を考える7/8(水)10:00〜12:40
小倉紀蔵(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
講義概要
日本文明とはなにか。そこからもういちど、「東アジアのなかの日本」を考え直してみる。特に、現在膠着状態に陥っている日韓関係を再考してみる。キイワードは、「大陸文明」と「群島文明」である。東アジアにおいては、中国を中心とした「大陸文明」が巨大であり、しかもきわめて高度な文明を築いてきた。これは、普遍的な価値を掲げて全体的な統治をする文明である。そこには大陸的な普遍的生命観がある。これに対して日本は、アニミズム的生命観にもとづく群島的文明に属する。朝鮮半島はこのどちらの側面も持つ。コロナ禍以降の「文明の作法」はいかにあるべきか、をみんなで熟考してみましょう。
講師紹介
1959年東京都生まれ。1983年東京大学ドイツ文学科卒業後、電通に勤務。東京コピーライターズクラブ新人賞受賞。1988年に電通退社後、韓国に留学。1993年ソウル大学哲学科修士課程修了(文学修士)、1996年同博士課程単位取得退学。1996年東海大学専任講師、1999年同助教授、2006年京都大学助教授を経て、2012年から現職。専門は朝鮮半島の思想・文化、東アジア哲学。NHKテレビ・ラジオハングル講座講師、「日韓友情年2005」実行委員、「日韓交流おまつり」実行委員、「日韓文化交流会議」委員などをつとめた。現代韓国朝鮮学会会長、比較文明学会理事、地球システム倫理学会理事。
『危機の時代と芸術家たち』
デューラーとクラーナハに着目して
7/11(土)10:00〜12:40
平川佳世(京都大学大学院文学研究科教授)
講義概要
いにしえの巨匠たちは、その美しい作品とは裏腹に、時として数々の社会的困難に直面し、悪戦苦闘しながらも、芸術制作を続けました。疫病、飢饉、経済恐慌、戦争など、数々の危機に過去の芸術家たちも立ち向かったのです。この講義では、16世紀に活躍したドイツ・ルネサンス美術の二大巨匠、アルブレヒト・デューラーとルーカス・クラーナハ(父)に注目して、大変革の時代を生きた彼らが、苦しみ悩みながらも、斬新な創意工夫によって生み出した名作の数々について、考察します。彼らの姿は、新しい危機の時代を生きる私たちにも、必ずや有益なヒントを与えてくれることでしょう。
講師紹介
1991年京都大学文学部史学科(考古学専攻)卒業。ビクター音楽産業株式会社勤務を経て、1993年京都大学文学部哲学科(美学美術史学専修)に編入学、1995年同大学院修士課程に進学、2000年同大学院博士後期課程を研究指導認定退学。その間、1998年10月より1999年3月までウィーン大学に留学。博士(文学)(京都大学)。2001年、近畿大学文芸学部講師に着任、助教授、准教授として2008年度まで教鞭をとる。その間、2007年9月より2008年3月まで、ローマ、マックス・プランク美術史研究所に研究滞在。2009年より京都大学文学研究科准教授、2014年3月より半年間、客員研究員としてトリーア大学に滞在、2017年より現職。専門は北方ルネサンス絵画史。『人口減少社会のデザイン』
拡大・成長から持続可能性へ
7/15(水)10:00〜12:40
広井良典(京都大学こころの未来研究センター教授)
講義概要
日本は2011年から本格的な人口減少社会となり、現在の出生率が続けば日本の総人口は2050年過ぎには1億人を切り、さらに減少していくことが予測されています。これは人口や経済の規模が拡大を続けるという、明治以降100数十年にわたって続いてきた時代状況からの根本的な変化であり、「拡大・成長」を基調とする社会のあり方からの大きな発想の転換が求められています。まちづくりや地域再生、企業行動や経営のあり方、社会保障や世代間の配分、東京・地方や都市・農村を含む国土のビジョン等々はどのようなものであり、そこでの「豊かさ」は「価値」はどのように展望されるでしょうか。人類の歴史の中での人口減少社会や資本主義のゆくえといった大きな視点も含め、人口減少社会のデザインを幅広い角度から考えてみましょう。
講師紹介
1961年岡山市生まれ。1984年東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)、1986年同大学院修士課程修了後、厚生省勤務(1986-96年)をへて1996年より千葉大学法経学部助教授、2003年同教授。この間、2001-02年MIT客員研究員。2016年4月より現職。
専攻は公共政策及び科学哲学。「人間についての探求」と「社会に関する構想」を橋渡しすることが基本的な関心で、環境・福祉・経済が調和した「持続可能な福祉社会」を構想。社会保障、医療・福祉、都市・地域等に関する政策研究から、ケア、死生観等に関する哲学的考察まで幅広い活動を行っている。この間、教育再生懇談会委員、国際協力機構(JICA)社会保障分野課題別支援委員会委員、内閣府・幸福度に関する研究会委員、横浜市・環境未来都市推進会議委員、厚生労働省・統合医療のあり方に関する検討会委員、国土交通省・国土審議会専門委員等多くの公職を務める。『「小胞体ストレス応答」の解明に向かって』
[放心]リーマンショックまでは乗り越えてきたが、コロナショックはどうか?
7/18(土)10:00〜12:40
森和俊(京都大学大学院理学研究科教授)
講義概要
生き物の基本単位は細胞で、その中に存在する最重要物質は、DNA(遺伝物質)とタンパク質(生命活動の担い手)です。生命活動の基本はDNA に書き込まれた暗号を解読してタンパク質を正しく作りつづけることと言っても過言ではありません。また、体内には多数の臓器が存在する様に、細胞の中には小さな臓器(細胞内小器官)が多数存在し、役割分担しています。小胞体は細胞内小器官の一つで、タンパク質の製造工場という役割を果たします。この工場はかなり優秀ですが、それでも時にうまく機能しなくなり、不良品タンパク質がいつも以上にできてしまうことがあります。この状態を小胞体ストレスと呼んでいます。私達の細胞には、この悪くなった状況を元に戻そうとする驚異の復元力(小胞体ストレス応答)が備わっているのです。私がどのようにして「小胞体ストレス応答」と出会い、どのように全容解明に向かって歩んできたかお話しすることによって、全体テーマに則った講演にしたいと考えています。
講師紹介
1958年岡山県倉敷市生まれ。1981年京都大学薬学部卒業。1983年京都大学大学院薬学研究科修士課程修了。1985年京都大学大学院薬学研究科博士課程退学。1987年京都大学薬学博士。1985年岐阜薬科大学助手、1989年米国テキサス大学博士研究員。1993年エイチ・エス・ピー研究所副主任研究員・主任研究員。1999年京都大学大学院生命科学研究科助教授。2003年より京都大学大学院理学研究科教授。小胞体ストレス応答研究の開拓者として、2005年米国ワイリー賞、2006年日本生化学会柿内三郎記念賞、2008年大阪科学賞、2009年カナダガードナー国際賞、2010年紫綬褒章、2012年上原賞、2014年朝日賞、アルバート・ラスカー基礎医学研究賞、香港ショウ賞、2015年トムソン・ロイター引用栄誉賞、2016年恩賜賞・日本学士院賞、2017年ブレークスルー賞、2018年文化功労者、2019年安藤百福賞大賞。『国際政治の中の日本外交』
パンデミック時代の国際政治と日本外交の課題
7/18(土)13:30〜16:10
中西寛(京都大学大学院法学研究科教授)
講義概要 本講義ではまず、冷戦終結後の国際政治と日本外交の流れを抑えた上で、現在進行形で世界を席巻しつつある新型コロナ・パンデミックの政治外交への影響を中心に講義を行う。このパンデミックは既存の国際秩序が大きく揺らぐ中で人類に対して生じたという意味で歴史的に類例のない現象となっている。今回のパンデミックが国際政治にどのような影響を及ぼし、また、その中で日本外交にどのような課題をつきつけているのかを中心に論じたい。
講師紹介
1985年京都大学法学部卒業。1987年同大学大学院修士課程修了。1988~1990年シカゴ大学歴史学部博士課程在籍。1991年京都大学大学院博士後期課程退学。法学修士(政治学)。1991年4月京都大学法学部助教授。1994~1995年文部省在外研究員。2002年~2015年京都大学大学院法学研究科教授。2015年~2018年京都大学大学院公共政策連携研究部教授。2016~2018年京都大学公共政策大学院院長。2018年から京都大学大学院法学研究科教授。日本国際政治学会理事長(2014~2016年)。安全保障の法的基盤に関する懇談会委員(2007~2008年、2013~2014年)、ODA大綱見直しに関する有識者懇談会委員(2014年)など。Admission
日程
2020年6月20日〜7月18日 週1〜2回実施 講義はすべてライブで行います。
※2020年6月17日(水)11:00~12:00に、接続確認&オリエンテーションを行います。
定員
先着30名(先着順)
定員に達したため募集は締め切りました。沢山のご応募をありがとうございました。
受講料
全11講義受講 300,000円(税込)資料代(PDFで配布)含。
環境
受講には、オンラインミーティングツール(zoom)が利用できる環境が必要です。
パソコン、Wi-Fiなどのインターネット環境、カメラ、マイクをご準備ください。概要
ビデオ・音声参加。グループワーク・ディスカッション・チャットあり。
一部、教科書が指定されている講義がございます。その際には、各自ご購入をお願い致します。キャンセル規定
ご都合により申し込み後にキャンセルされる場合は以下キャンセル料を申し受けます。
開講日の7日前から前々日 :受講料の30% /開講日の前日から当日:受講料の100%
最低履行人数に満たない場合、開催を中止する場合がございます。その場合、上記に関わらず全額返金いたします。こちらのパンフレットからも詳細をご覧いただけます。
Schedule
講義の流れ
6月20日(土)開講式&講義
10:00〜10:30( 30分) 開講式:山口栄一教授&オリエンテーション:ELPディレクター粟野亮二
10:30〜12:30(120分) 講義 :宮野公樹准教授『学ぶとはどういうことか』
12:30〜13:30( 60分) 休憩
13:30〜14:30( 60分) 講義:山敷庸亮教授『地球惑星水質源評価』
14:30〜15:00( 30分) グループワーク(適宜休憩)
15:00〜16:10( 70分) ディスカッション
6月24日(水)〜7月15日(水)
10:00〜11:00(60分) 講義
11:00〜11:30(30分) グループワーク(適宜休憩)
11:30〜12:40(70分) ディスカッション
7月18日(土)講義&閉講式
10:00〜11:00(60分) 講義:森和俊教授『「小胞体ストレス応答」の解明に向かって』
11:00〜11:30(30分) グループワーク(適宜休憩)
11:30〜12:40(70分) ディスカッション
12:40~13:30(50分) 休憩
13:30~14:30(60分) 講義:中西寛教授『国際政治の中の日本外交』
14:30~15:00(30分) グループワーク(適宜休憩)
15:00~16:10(70分) ディスカッション
16:10〜16:40(30分) 閉講式
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